舌痛症と味覚異常
弘進会宮田歯科池袋診療所 院長小澤です。
先週来院された患者様ですが、舌の痛みと味覚異常の主訴をお持ちでした。まだ20代の若い女性の患者様です。お話をお聞きするといろいろストレスを抱えているようでした。お口の中を拝見してみるとストレスから相当喰いしばりが有るようで、ほっぺたの内側と舌に歯に押し打てて出来た歯型の圧痕がしっかり付いていました。
典型的なストレスによる歯ぎしり(ブラキシズム)の増強が起こってしまったケースです。患者様は味覚までおかしくなってしまっていたので、大きな病気を心配されていたようで、それがさらにストレスとなり、さらに味覚までおかしくなっていたので食事がおいしく頂けないことから、ストレスが上乗せされ暗くなっていた様子でした。
ブラキシズムの診断の元にナイトガード(歯ぎしり防止の装置)を早々に作成してあげ、今の症状が主に噛み合わせとストレスから来る物であることを説明して、ナイトガードの装着を指示いたしました。
本日、来院して伺ったところ舌の痛みと味覚の異常はなくなったそうで、明るくなっていました。
今回のケースは、歯ぎしり(ブラキシズム)により舌の筋肉がオーバーワーク状態となり舌の筋肉が凝った状況となり血行不良を起こし痛みとなたのではと思います。味覚障害は凝った舌の筋肉により引き起こされた血行不良が舌の表面に分散している味ライ細胞に悪影響を及ぼした為に起こったと思います。
状況を説明した事で患者様は原因が解かり、精神的に安心した事とナイトガードにより夜間の歯ぎしり(ブラキシズム)からの解放により数日で改善がみられたと考えます。
歯や噛み合わせとストレスはとても関係が深く様々な症状を引き起こします。しかし、しっかりとした診断が有れば今回のようにすぐに解決しますが、原因が解からず長引いてしまうと悪の連鎖により深刻な状況に陥る事も考えられますので早期に適切な診断による適切な治療はこのようなケースの場合とても重要です。人間は精神的な事によりとても大きな影響を受ける事の典型ですが、精神の健康と体の健康は一致するという事ですね!ストレスの発散は大切です。