セーフコミュニティーにおける歯医者の関わり
弘進会 宮田歯科池袋診療所 院長小澤です。
昨日夜7時より、豊島区歯科医師会の会長として豊島区セーフコミュニティー現地審査全体会議に出席しました。WHOアジア認証センターの審査員の3名の方々に豊島区のセーフコミュニティー活動の取り組みをプレゼンテーションするための会議です。WHOの認証を受ける前にアジア地区での事前チェックの意味合いかと思います。今回の診査には韓国から2人、中国から1人計3人の審査員がおいでになりました。
セーフコミュニティーは安心安全な町を目指すという事ですが、実は歯医者にとってとても多くのかかわりが有ると思っています。セーフコミュニティー先進国の北欧諸国は歯についてしっかりと「予防」の概念が国民に浸透しており、結果元気で長生きが確立されている事を見ると明らかかと思います。
今回、歯科医師会代表として出席していますが、残念な事に区役所の多くの方々がこの事に関心があまり無いように感じました。提案はしましたが、歯科についての取り組みはあまり無く防犯、防災に少々偏ってしまっているように感じています。
児童虐待やDVにおいて歯科において発見されるケースは多く有りますが、現行の社会制度ではそのような状況があっても、持っていき場が無く悔しい思いをするばかりです。うつ病の多くの患者様は特有の歯科症状を持っているケースが多くありますが、同じく相談の持っていき場が無く同様に悔しい思いをしています。早期に対策を打てれば自殺予防に繋がる事になるのではと思います。痛みのあまり出ない歯周疾患は現在、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞などの大きな誘因となっていますが、歯周疾患を放置している方が多く、この件についてもしっかりとした治療により大病の予防に繋がる事は明白ですが、80パーセント近くに方々が放置しているのが、現在の日本の実情です。認知症についても、しっかりとした口腔環境を維持する事が予防に繋がりますし、口腔ケアーの状況の変化から早期に認知機能の低下を疑う事が出来ますので、この件についても転ばぬ先の杖の発想になるのではないでしょうか?
豊島区保健所の所長、参事はこれらの件について十分理解してくれておりますので、歯医者として豊島区にこのような発想を理解してくれる方々が増えるよう、じっくり時間をかけてこの問題に取り組みたいと思っています。
問題が発生してから(痛みや、外れた)といって歯科医院に罹る発想は過去の発想で、世界一の長寿国の日本においては、予防歯科、積極的歯科治療の考えが大切ではないでしょうか?セーフコミュニティー成る発想は、まさしく今の日本における歯科事情に大きく投げかけられた問題と感じています。共感してくれる、保健従事者、介護関係者やその専門家は多くいますので大変勇気づけられますが、当の歯科医師の多くにまだ十分理解せれません。目先の問題ばかりでなく中長期的な視点でとらえる歯科医師を多く育てなくてはならないと感じています。
宮田歯科池袋診療所はこの発想で歯科治療の理念を掲げ、日々臨床に向かっておりますが、けっしてこの考えを患者様に押し付ける事はいたしません、あくまで共感して頂いた方々に対応しております。しかし、わざわざ宮田歯科池袋診療所に来院していただいた患者様には、このようは考え方が有る事を、あえて「おせっかい」をさせて頂きお伝えさせて頂いております。 宮田歯科池袋診療所に来院して頂いた大切な患者様に是非とも「元気で長生き」して充実感に満ちた人生を送って頂きたいで、、、、、「おせっかい」させて頂きます。
投稿日:2011年6月10日 カテゴリー:ブログ