重力と腰痛
地球環境の大気圏内に存在する全ての物は「重力」という凄い力を受けています。
その中で私たち人間はとても重い脳を有しており、その脳を効率よく支える為に2足歩行という方法を獲得しました。しかし、そのために他の動物には見られない腰痛という問題を抱える事となってしまいました。上半身の体重を支える体(月)の要、すなわち腰となりますが、ここに問題が生じる事はとても大きな障害となってしまいます。
元気で長生きをするためにはいつまでも自身の足で歩く事はとても大切な事となりますが、腰に問題を抱えると痛みにより歩行困難な状況となり、車椅子の生活を余儀なくされる事となってしまい、いったん車椅子生活となってしまうと様々な問題が生じるのです。
足は第2の心臓なんて言われるように、歩く事は健康維持にとってとても効果的な事なのですが、「歩く事げ出来ない」は、一方大きな問題となるのではないでしょうか?ほんの数時間の飛行機内で、歩かずにいる事で起こるといわれる「エコノミー症候群」は皆さんもご承知の事と思います。長く車椅子の生活となれば問題が起こるのは必至ではないでしょうか?
たかが「腰痛」と簡単に考えていると大変な事になってしまう確率を高めてしまうと思いますので、早めの対応が大切です。
腰椎は胸椎、頸椎と繋がり全体で脊椎を構成していますので、全て繋がっています。その一つ一つの骨の部品は椎間板という軟骨で挟まれるようにして繋がっていますが、人間はその脊椎が2足歩行を行っているので、重力の影響を大きく受ける事となっています。そのために横になっている時や水泳など水に浮かんでいるときを除いて常に大きな「重力」という大きな力を受けています。
そこで、左右の余計な湾曲が背骨に有ると、脊椎を構成している骨や軟骨に無理な力が掛かってしまい、部品の一つ一つに余計な力が掛かり部品がづれるなどの問題に発展し、腰痛となるようです。椎間板のずれによる腰痛や脊椎の内壁に骨が飛び出す事で脊椎幹狭窄が生じる事により起こる腰痛、腰椎の圧迫骨折による腰痛など様々な腰痛が有るようですが、どの腰痛も脊椎に生理学的に無理な力が掛かって起こっており、特に左右の余計な力が問題ではないかと思います。脊椎は神経の太い束が中を貫いているために簡単に手術などができませんし、椎間板は軟骨ですので修復が出来ませんから現代の医学をもってしてもなかなか簡単に解決できない事で問題が深刻になっているケースが多いようです。治らない場合が多いのであれば、やはり予防を考える事が賢明かと思います。
腰痛予防にとって歯科との関係は大きく、特に噛み合わせ(咬合)がとても深い関係が有るのです。噛み合わせ(咬合)と腰痛に何の関係が有るかと思いますでしょうが、次回この腰痛と歯科の関係について紹介したいと思います。
投稿日:2011年7月29日 カテゴリー:院長コラム