重力と腰痛(その2)
前回、噛み合わせ(咬合)が悪い事と腰痛に深い関係がある事をお話しいたしました。
まだまだ若く健康的な方ですと、多少無理もききますし、柔軟性もあるので症状が強く出ていないので「自分には関係が無い」と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、少し先の事を含めてイメージしてみましょう。
椎間板は軟骨であるため極めて修復能力の無い部品であるため、損傷を受けると元に戻る可能性がありません。変形を伴い位置に異常が生じる事で「椎間板ヘルニア」となる事は以前に紹介しましたが、さらに背骨一つ一つを構成している椎骨においても、ヘルニアが長引く事で左右不均衡な力がかかり続けると、椎骨の内部に骨が出っ張り「脊椎幹狭窄症(せきついかんきょうさくしょう)」に発展してしまいます。
ダルマ落としにおいてダルマが傾き始めると不安定になりダルマが落っこちてしまうように、背骨も余計な傾きが有ると長期間において上記のような変化が生じてしまうのです。
超高齢化社会の現在において、介護の問題は増大する社会保障費の大きな要素となっています。その中で、強度の腰痛により要介護状況となっている方が多くいますが、そのほとんどに「脊椎幹狭窄症」の病名が付いています。
背骨はいったんトラブルを抱えると簡単に治らないようです。予防の意識が大切ではないでしょうか?特に若いうちに腰痛の経験をお持ちの方は噛み合わせ(咬合)をチェックする事をお勧めいたします。2本足で歩いている限り、重力は大きな負担を背骨に掛けていますので、いつまでも元気で歩きまわれるような生活をしたいのであれば、積極的歯科治療や予防歯科の考えは大切かと思っています。
おそらく、神様が設定した本来の寿命は、現在の日本の平均寿命より短く設定されてされていたと思われます。
背骨に問題が起こらないようにケアーすれば、元気で長生きのチャンスは増えると思いますので大切にしてくださいね!
有名な「ピサの斜塔」も重力でだんだんと傾きがひどくなり、数年前に少し傾斜を戻し、さらに傾きが少しでも進まないように補強工事を行ったようです!ニュートンさん、重力に対するケアーがいかに大切かを考えるきっかけ作って頂きありがとうございました。