介護を減らすには
他人のお世話にならず元気で一生を過ごすためには、しっかりと噛んで生活する事が大切です。要介護状態となってしまっている方と元気で自立している方を統計的な比較をしたら、一番大きな違いはしっかりと噛むことが出来るかという点に違いがある事が解かりました。
動物は本来、摂食出来なくなれば死を待つだけですが、私ども人間は流動食、胃廊、点滴などで食べなくても生きて良く事が出来るようになりました。
生命を維持するために、栄養素だけの観点から見れば生きていけますが、その状況を本当に皆さんが望む事でしょうか?
食することは、ただ単に栄養を取ることだけでなく、ストレスの発散や人と人とのコミュニケーションに欠かせませんし、なんと言っても食事の時間はとても楽しい時間です。さらに、噛むという事はスポーツや重い物持ったりする時、夜間の無意識に行う歯軋り、日常生活のいろいろな場面(正確な手作業中や単純な家事作業など)においても無意識に行っています。
歯と歯を合わせ噛んでいる状況はとても長い時間行っているので、噛む事はそれらの機能維持にとても大きな影響をきたします。ですから、口腔機能を維持する事はたとえ義歯になっても大切な事なのです。
食べる時だけに義歯を使用するという考えは大きな間違えで、以前述べましたが、夜間就眠中においても義歯を使用する事は大切なことなのです。
笑って死ぬには、元気で無くてはなりません。そのためには最後まで口腔機能を維持させる事が大切です。
日本人は歯が痛くなってから、あるいは治したところが外れる等の状況になると歯医者に行く方がほとんどで、まだまだ歯を大切にする方が多くいません。
もう少し口腔機能の重要性を多くの方が認識して頂けると、要介護状態となってしまう方を減らせるのではないかと考えています。
歯科医療技術はここ数年大きく進歩していますが、出来れば神様から頂いた天然の歯を(仮に歯の根だけになっても)大切にした方がいいと思いますので、より若いうちから口腔機能を大切に維持するために予防歯科の受診をお勧めいたします。
既に口腔機能を大きく損なってしまい苦労している方は、あきらめないでください。それぞれの患者様の状況に合わせた最適な歯科治療により口腔機能の回復をいたしますのでご相談ください。
投稿日:2011年9月21日 カテゴリー:院長コラム