吹奏楽器奏者の「歯」を削っての要求
院長 小澤です。
宮田歯科池袋診療所の近くに音大がある関係から、音大の学生さんの歯科治療をよくします。
私自身は全く音楽の経験はありませんが、吹奏楽器の演奏に口腔環境がとても関与していることは簡単に想像がつきます。
口唇、歯牙、舌、頬部等々を巧みに動かし素晴らしい音色を奏でているのではないでしょうか。
※イメージ画像です
以前ある患者様から
「 高音域をもう少しうまく出したいので、上の前歯を削ってくれませんか? 」
と相談されました。
歯科医師として一度削ったしまった歯は元に戻らないので簡単に要望を受けることはできないと、むしろ訓練で高音を出せるようにするべきではと説明して一度お帰りいただきました。
しかし数か月後、指導を受けている先生も上の前歯を削ってから高音がうまく出せるようになったとのことで、再度来院されました。
ここまで強く要望されてのことでしたので、
この件は医療行為ではなく、万が一上手くいかなかった場合責任を負えないことを了解していただき、
要求を受ける事にしました。
しかし、削るといってもどのくらい削っていいものか?
私も本人も解らないため、手間はかかるが本来の歯牙の健康・機能を失わない範囲で、まずはほんの少し削合することを提案し受け入れてもらいました。
とりあえずその日は数ミクロン削ったかどうか解らない程度を行い、一度お帰りいただきました。
それから数日後
「 お陰様で少し高音が上手く出せるようになりましが、もう少し削って欲しい。 」
との要求でしたので前回同様削合し2度目の削合を行いました。
数日後患者様が訪れ、
「 お陰様で納得いく高音が出せるようになりました。 」
との感謝の報告を受けほっとしたのを覚えています。
40年程の歯科医師経験でこのケースはとても特殊でしたのでとても印象に残っています。
吹奏楽器、声楽などを職業にされている方は一般の方よりより口腔内の健康維持に努める必要があることがよくわかるケースでした。
宮田歯科池袋診療所ではこのような特殊なケース含め皆様の多様な要望をを受けしておりますのでご相談お待ちしております。
投稿日:2021年8月31日 カテゴリー:ブログ, 院長コラム